片側顔面痙攣の手術を受けることにした。

1年ほど前から片側顔面痙攣という病気になった。 顔の左側がピクピクと痙攣して、意図せず顔を顰めてしまう。 脳の近くの血管がなにかの拍子で神経を圧迫するようになるとこのような症状が出るらしい。 だいぶ症状に波がある病気で、調子が良いときは全然気にならないが、調子が悪いときには耳の中で痙攣にあわせてポコポコ音が鳴ることもある。 耳の奥の筋肉が痙攣すると、鼓膜のあたりが動いてポコポコ言うらしい。 夜中にポコポコ鳴りだすと最悪で、顔の違和感とポコポコ音で全然寝られない時もあった。

ずっと手術を考えていたわけではなく、症状が出始めて8ヶ月くらいはボトックス治療をしていた。 ボツリヌス毒で筋肉を麻痺させ、痙攣を中和する感じの治療法なのだが、これははじめのうちはかなり体験が良かった。 治療し始めのころ、痙攣が始まるな~という予兆を感じたあと一瞬で痙攣が引く感覚には感動を覚えた。 しかし僕の片側顔面痙攣は進行性だったらしく、段々口の周りも引き攣るようになってきた。 こうなるとボトックス治療は難しくなっていく。

口元の痙攣を抑えるために口の周りにボトックス注射を打つと、口の周りが麻痺して口をまっすぐ開きにくくなってくる。 僕は片側だけボトックス注射を打っていたので、口を開こうとすると ( ᐛ👐)パァ みたいな感じで口が斜めに開くようになっていった。 いまは手術前でボトックス治療を止めているのでだいぶ開くようになったが、4月頃の僕はおそらく知人の中でも一番うまく ( ᐛ👐)パァ ができていたと思う。 一番強めにボトックスを打っていた時は頑張らないと左側の唇を歯より上に持ち上げることができず、厚めのカツサンドを食べようとすると唇を巻き込むようになっていた。 人前で食事するのも避けるようになってしまい、この治療を続けるのは無理だなと思い始めたので手術を検討するようになった。

手術は後頭下開頭微小血管減圧術というもので、耳の後ろあたりに小さい穴を開けて脳幹あたりで神経を圧迫している血管を移動させるらしい。 いかにも根本解決できそうな治療法で、効果はかなり期待できそう。期待できそうというか、期待している。 片側顔面痙攣自体は命に別状がない病気で、手術を受けるかどうか悩む人も多いらしいが、個人的にはこの病気と付き合っていくのは体験が悪すぎて無理だった。 耳元(というか耳の中)で不定期にポコポコされるのが治るなら、頭蓋骨に穴をあけて脳に触れてでも治したい。 なんといっても、頭蓋骨の穴はチタンプレートで補強して埋めるらしい。 チタンは一番好きな金属なので自分の骨と結合させられる機会ができて少しうれしい。自分に埋め込まれる前のチタンを見られないのが残念だ。

手術は来月の予定だが、はやく手術を受けたくてこの日記を書いている。