Android開発をする上で知っておいてほしいなと思うこと 2

nein37.hatenablog.com

上記の記事の続き。 開発時に引っかかりがちないくつかの注意点と、リリース時に知っておいたほうが良いと思うことについてまとめてみる。

開発時の知見

主にチーム開発時の注意点と標準ツールの活用、よく嵌りがちな落とし穴について。 前回記事の アプリの実装について でも少し触れていたが、もう少し広い範囲について必要だと思うことを書いてみた。

チーム開発の注意点

他の開発者と開発環境を揃えることで開発を効率化できる他、他のメンバーに自分の変更による差分をチェックして貰う必要がある。 また、Android開発者ではない人に対する技術的な説明もできたほうが良い。

標準ツールの活用

Android Sdk(とそこからダウンロードできる各種ツール)とAndroid Studioに付属しているデバッグ機能について。

標準ツールではないがstetho などのデバッグ用ツールについても知っておくとより良い。

よく嵌まる落とし穴

  • Auto Backup
    • Auto Backup が有効な場合、 SharedPreferencesやSQLiteデータベースなどが自動的にバックアップされる
    • 復元されると困る情報は除外設定を必ず行う
    • Auto Backup の設定はデフォルトで有効
  • uses-feature の暗黙的設定
    • 一部の uses-permission 設定は自動的に対応したデバイス機能の uses-feature 設定を追記する
    • 通常あまり問題にならないが、AndroidTV向けの実装を同一apkに同梱する場合などに問題が起きる

リリース時に知っておいたほうが良いこと

リリース時にチェックしておくべき項目やアプリの公開に関する設定項目のうち知っておいたほうが良い項目についてまとめる。 基本的にほとんどの内容は Android Developers に書いてあるが、Playコンソールの新機能についてはPlay Console ヘルプ(英語版)のほうが詳しい時もある。 Playコンソールに関して迷ったり疑問に思ったらまずは公式のヘルプをあたってみると良い。

  • Distribute on Google Play
    • リリースに関する基本的な項目は Distribute 以下にある
    • アプリのリリース前に一度は見ておいた方が良い
  • Core app quality
    • アプリが満たしておくべき品質のリスト
    • 特に戻るボタンの動作の一貫性などは実装時から気をつけておいたほうが良い
  • Launch checklist
    • アプリ公開時に必要な項目のチェックリスト
    • 必須項目ばかりではないが、知識として知っておいたほうが良いこともある
  • Release updates progressively
    • 段階的リリースでは公開率を段階的に上げるだけでなく問題のあるリリースを途中で中止することができる
      • 問題なければ再開することもできる
    • モバイルアプリは簡単にロールバックできないので、公開時のリスクを抑える方法として有用
  • Run alpha and beta tests | Android Developers
    • アルファ/ベータリリースについての説明
    • インストールまでにユーザー操作が必要なため若干利用し辛い印象がある
    • 後述のリリース前クラッシュレポートとあわせて一般向けではなく社内向けの開発版配信として使うのも良いかもしれない
  • Use pre-launch and crash reports
    • アルファ/ベータリリースとしてapkをアップロードすることでリリース前クラッシュレポートを利用できる
    • Firebase Test Lab と同様のものだが、リリースフローの一貫に組み込むことができるのは便利
  • Engage
    • より利用されるアプリにする方法のまとめ
    • どれでも利用できるというわけではないが、リンク先も含めて知識として有用
  • Grow
    • ユーザー数を増やす方法のまとめ
  • Developer stories
    • 成功者のストーリー一覧 -InstantApps でドーンみたいな話だけでなくPlayコンソールの細かいA/Bテストを繰り返したという話も乗っていてわりと実用的

まとめ

これで当初書きたかった内容は大体書いた。 ここまで書いてきた内容を振り返っても Android Developers は開発〜リリースまでを支えてくれる優秀な公式ドキュメントだと思えるので、安心して頼っていけそう。